ごあいさつ

理事長 中井 裕

 研究会設立より10年半にわたって理事長を務められた扇元敬司先生がご勇退なされ、平成16年(2004年)4月より、理事長を務めさせていただいております。
 畜産業が社会に認められる形で生き残るためには、畜産環境問題の克服が必須であることは明白です。今、畜産に求められるもっとも大きな命題は地球環境との調和といえます。
 このような命題を科学的に解決することを目的に、平成5年(1993年)9月に日本畜産環境研究会が設立されました。この研究会は、畜産環境問題の認識、畜産環境保全に関する研究の基礎的および応用面の理解、畜産環境研究者の交流や他分野からの研究者の参入などに広く貢献してきました。
 しかし、現在もなお畜産による環境汚染は深刻な問題で、方策の立案やアイデアの発掘には、さらなる研究の推進が不可欠であり、根本的な問題解決には科学的な掘り下げが必要です。とくに、畜産環境問題の解決には分野を越えた研究成果の結集が要求されます。このような現状の反省と、将来の展望にもとづいて、畜産環境に関わる多方面の研究の推進母体となるべきさらに確固たる組織として、平成13年(2001年)6月、研究会は日本畜産環境学会に改組されました。
 畜産環境問題の解決のためには、地球環境、地域環境および生産環境を総合的に捉えた上に、基礎的な研究と現場に密着した研究とをうまく融合させた新しい研究分野としての、「畜産環境学」の確立が不可欠と考えます。今後、本学会は、畜産環境学の諸課題の研究推進と、その成果の現場へのフィードバックを目標として、活動を続けたいと考えています。
 皆様のご支援ご鞭撻を今後とも宜しくお願いいたします。

Copyright (C) The Animal Production Environment Society Japan All Rights Reserved.